ケイゾク





STORY


警視庁捜査第一課、捜査二係は、迷宮入りの事件を扱う部署である。
捜査をして入るもののさしたる進展もなく、かといって被害者の身内に対してそのことを伝えられるはずもない。
というわけで常に捜査をしている――「継続」中の事件を主に扱うところなのである。そういえば聞こえはいいのだが、一課が総力をあげても解決できなかった事件でなのだ。数人のこの部署で解決できるようなものではない。体の良い吹き溜まりと警察内部では思われていた。

真山 徹(渡部篤郎)は、警視庁捜査第一課、捜査二係に勤める叩き上げの刑事。元・公安の刑事でやり手であることに間違いないが、全くやる気がなく、今は、迷宮入りの事件を扱う“捜査二係”に配属されている。

ここに1人の女が配属されたことから少しずつ歯車が狂い始める。
その女とは、東大卒のキャリア、柴田 純(中谷美紀)。学生上がりで世間知らずのお嬢さまだが、とにかく負けず嫌い。そして恐るべき記憶力を持つ。9ヶ月間の警官研修期間を何の問題もなく経た後には、若干25歳で所轄署の署長になるエリ−ト中のエリート。しかし肝心なところが抜けていたり、服装等にまったく気を払わなかったりと若干……いや、かなり世間ずれしている彼女。そして輪をかけて推理マニアな彼女は勝手に迷宮入り事件に次々に手を付けていってしまう。

赴任早々、柴田が興味を示したのは「死者から電話をもらった」という男の証言。
その男、志村は一年前に殺害された多田と、殺される前日に会う約束をしていたのだという。その多田から「次の土曜日に会いませんか」との電話が入り、怖くなったのだ。
“二係”では、一年前の事件を掘り起こし、容疑者・太田の行動を洗い直すことになった。
事件当日太田は、東京・六本木のバーで「多田の野郎、ぶっ殺してやる」などとわめきちらし、夜12時頃店を出た。一方多田は、小学校の同窓会で三重県四日市市を訪れていた。死体が発見されたのは午前8時頃。死亡推定時刻は午前1時から2時の間。警察は捜査員を延べ18,600人を動員し太田の足取りを追ったが、事件後全く消息をつかめていない。しかも午前0時に六本木にいたアリバイを崩せず、事件は昨年10月ケイゾク扱いとなっている。
そして「死者からの電話」の約束の日、柴田があるトリックを見破る・・・。



第一話――『死者からの電話』
第二話――『氷の処刑台』
第三話――『盗聴された殺人』
第四話――『泊まると必ず死ぬ部屋』
第五話――『未来が見える男』
第六話――『史上最悪の爆弾魔』
第七話――『死を呼ぶ呪いの油絵』
第八話――『さらば!愛しき殺人鬼』
第九話――『過去は未来に復讐する』
第十話――『二つの眼球』
最終話――『死の味のキス』



コメント
もはや説明なんぞいらないとは思うのですが、大好きなのでこちらに紹介を。
刑事モノなのに不思議な雰囲気を秘めたドラマです。初めは、本当に「漫才ですか?」と思わせるやり取りが多かったのですが、次々と場面はめまぐるしく入れ替わり見る者を惹きつめて離さない内容です。
やはり一番初めから気になっていた人物は、真山ですね。彼の狂気とも取れる行動に何が隠されているのか……心惹かれました。そして主人公柴田の存在が彼の中でどんどん大きくなっていくのがわかりましたね。彼女は本当に不思議な人で、今では失われつつある純粋な心をもっているんですよ。だから興味のあることにはとことんせまっていく。それは一見、変人ともとれる行動の数々なのに事を追うごとに柴田の真意が見えてくるのだと思いますね。
また、二係の面々が個性的でたしかに一組織では活動しにくい人たちばかりですが、こういったところでは爆発的な能力を開花させているのだと思います。お笑いのレベルは、すごいです。笑いすぎて酸欠になってしまったのは、私だけではないはずです。彼らがどこにたどり着くのか……。「ケイゾク」の名の通り、まだまだ続いているのだと思います。

カップリング論争※腐女子的注意
真山×柴田
メインで。特に真山→柴田だと思うけれど、テレビ版ラストあたりでは両思いだ。最後のキスの場面ではなんどみても泣ける。ドン臭い柴田が気になって何かと世話を焼く真山が良い。「お前には生きてて欲しいんだよ」といったあの顔が真山だった。二人で幸せになって欲しいな。
斑目→真山
憧れとか尊敬とかそういういろんな意思が入り混じって、昔の真山を知っているからこそ、惹かれたのではないかと思う。この実直なほど任務を遂行する割に、最後で真山を助けたところが萌え。



  

登場人物紹介


柴田 純(24) 中谷 美紀

捜査一課・2係・主任・警部補
東京大学法学部卒業
警察大学校の「初任幹部課程教養」を記録的な好成績で首席卒業。(ただし、教養・ペーパーテスト分野のみ。拳銃術、柔術などはほとんど最下位)
そもそもキャリアは、9ヶ月間の警官研修期間を経た後、警察大学校に戻るとその後警部補になり、若干25歳で所轄署の署長になるエリ−ト中のエリートである。だが、彼女の場合実技向きの人間ではないため一係の仕事は不向きとされ、二係に回された。とにかく鈍くさく、その上方向音痴。誰の目にも愚純な女に見えるが、異常な記憶力の持ち主。一度読んだ本や人が言ったことは全て覚えている。からかわれたり、バカにされたりしたことに対して根に持つタイプのようだ。
ただし、推理小説マニアだけあって、推理力抜群であり常人が気づかないようなことまで瞬時に記憶している節がある。
「あのぅ。わたし、犯人わかっちゃったんですけど………」
中谷さんの大ファンになったのはこの作品からです。もう、キャラにばっちりはまってますね。
柴田と言うキャラは、本当に突拍子もないことを思いつく人物なんですが、人の心をしっかり知っているというか、純粋なんだと思うんですよ。何かを信じる気持ちって言うのは、人一倍強いんですね。



真山 徹(32) 渡部 篤郎

捜査一課・2係・主任・警部補
立教大学法学部卒業
ある意味やる気なく、ある意味狂気を秘め、ある意味熱く、そしてある意味冷酷な男である。元、公安部所属の叩き上げの刑事で、以前は純粋で火の玉の様な熱い刑事だったのだが、実妹が自殺してからは考え方が一変した。そしてあえていわく付きの吹き溜まり場所“二係”に来た。
ドラマ当初から一番の謎を秘めた男であり、そして狂気ともとれる行動をおこす。それの行動がこの物語の重要な部分を占めている。
公安上がりという経歴上、捜査に対しては天才的な発想力と強烈な行動力があり、時として、狂気じみた犯罪者と同じ眼を宿す。携帯許可の出ている拳銃以外に個人的に所有している節がある。あらゆる情報網を把握しているようだ。
「………………お前には、生きててほしいんだよ」
渡部さんを意識したドラマでした。役柄と言うのもあるかもしれませんが、渡部さんに惚れましたね。もちろん真山さんも大すきです。あのちょっと常識を逸脱したようなところがありながら自分の求める真実を見つけるためにひた走る。キャラは違いますが、「踊る〜」の青島さんみたいな感じがしましたね。真山さんの場合は、周りの事なんて気にしないでひたすら突き進んで行こうとするんだけど、そこに現れてのが柴田さんなんですよね。
純粋な青年のようで狂気をはらんでいる。……このギャップが彼に惹きつけられる一番の理由なのでは?




木戸 彩(22) 鈴木 紗理奈

捜査一課・1係・係員・巡査
元・交通課婦警
元ヤンキーで、元レディース。喧嘩、盗み、恐喝、シンナー……ありとあらゆる犯罪は一通りこなしてきた関西では超有名なワルなのに、警察官採用試験に合格してしまった。なぜなら、一度も捕まったことがなかったからである。
交通課の婦警だったが、欠員補充で、捜査一課の庶務に異例で配属された。仕事の内容は、お茶くみ、コピー取りなどの雑用。二係には、サボりにやってくる。私用電話、昼寝、喫煙、時として飲酒、テレビ鑑賞、ビデオ鑑賞・・・好き放題。二係の人間をバカにしている。そのため、時々、二係の人間を自分の雑用の下請けとして利用したりもする。犯罪の手口、犯罪者の心理に独自の専門知識を持つ。また、恐るべき広さの交友関係を誇る。
ある意味一番の謎を持った女性キャラではないかしら?いろいろしてきたけど捕まった事がないって言うのはすごいですねぇ。どんなところにでも知り合いがいる感じ。
そして柴田のお姉さん的存在でもあるような気が。しっかり世話を焼いてくれるところが好きですね。自分という女の価値を十分に知っていて、それを武器に……といったら違うけれど、戦っている。大人な女性です。しかも金太郎にたいしてのツッコミがあまりにも良いので思わずニヤリ。




野々村 光太郎(59) 竜 雷太

捜査一課・2係・係長・警部
定年間際の窓際族
昔はバリバリの刑事だった……と本人は言っている。
「これも時代だから」と事なかれ主義を貫いて(?)きたが本来は頑固者で、言い出したらテコでも動かないタイプ。
何もしていないようで、実は体を張って部下を守る。したがって、昔、世話をしたいろんな所に顔が利く。クイズ好きでよく巡査部長の近藤とだじゃれ戦を繰り広げているようだ。現役女子高生のミヤビちゃんと恋愛中である。
「昼行灯」という印象がぴったりな人ですが、やる時はやる人ですね。何を考えているのかわからないことも多々ありますが、2係の中ではけっこうまともな人だと思えるのです。



斑目 重友(31) 村井 克行

公にはできない特殊部隊、SWEEPのチーフ。
SWEEPは刑事部管理官の早乙女の指揮下にあることから刑事部内の部署と推測される。秘密裏に造られた部隊であるがゆえにその活動は警察機構に害する物証の排除など手段を問わない活動もおこなっている。よってチーフを務める彼の役割はかなりシビアだ。任務達成をただ忠実にこなす。
公安部時代は真山の後輩で、先輩である真山を慕っていたようである。
「刑事は、その生き様が全てです。金も名誉も家族も捨てて、一刑事として、現場に生きた男達の事は、組織の上に立つ者としてせめて、魂に刻んで下さい」
かなり怪しい(笑)登場の仕方とか笑えます。が、結構仕事のわりに純粋で粋な奴で、真山さんにたいしても壷坂さんにたいしても「刑事」という仕事の辛さとかシビアな部分を一人で担っている感じです。でも命令には忠実なんですよねぇ。良い悪いに関わらず必ず遂行するんです。



壺坂 邦男 (60) 泉谷 しげる

警視庁町田署刑事課強行犯係・係長・警部補
以前、公安部に所属し、真山の上司にあたる人物であった。ある未解決事件を定年前に解決するために2係に訪れ真山に協力を求めるのだが、公安時代に囮に使って犯人を逮捕したことを真山は恨んでいて取り合わない。逆に柴田に興味を持たれて付きまとわれながら事件の真相を突き止めることになる。
細かいことには少しも気にしない剛毅な性格の持ち主。だが、妻子は公安部時代に爆弾によって殺されている。
何を考えているのかよくわからない親父さんですが、実際はすごく真面目で頑張ってます。ちょっと前の「刑事は足で稼ぐ」って信念がちらほら見えます。良い人なんだけど素直じゃなくてなれていない感じ。すごく辛かっただろう妻子のこともどこか懐かしむように話してくれる。柴田とは良いコンビの予感?



遠山 金太郎 生瀬 勝久

警視庁刑事部捜査一課二係・主任・警部補
京大卒の警察庁キャリア。とはいえ、本当は東大に行きたかったのだが何度浪人してもいけなかったらしい。
なぜか12月に警視庁に出向し二係に配属。登場時が柴田とよく似てはいるのだが、推理は偶然につぐ偶然でのみ解決している。目指していた東大に入れなかったためか、東大出の柴田に対しかなりライバル意識を燃やしている。
また関西のそのノリの良さから、木戸に鋭いツッコミを数度となくくらい続けている節もある。
面白いのに、すごく楽しい奴なのにあんまり出番がありませんでした。勿体無い!!木戸さんといい漫才コンビだった。映画も余り出てきませんでした。