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STORY

4月7日午後1時22分。郊外の新興住宅地に住む高野家に、1通のメールが届いたことから忌まわしい事件の幕があける。

くいずです
あなたの いちばん たいせつなもの なーんだ
ひんと すでになくなっています

すべてひらがなで書かれたメールで英会話学校講師の高野舞は、小学生の息子・生が誘拐された事を知った。
通報を受けた多摩東署は、ただちに特設捜査本部を設置。刑事課長・緒沢の指揮で、マニュアルどおり、犯人に悟られないよう、宅配業者を装って高野家に捜査員を送ろうとする。
一方、警視庁捜査1課管理官の蓮見は、自らの意思で精神病院に入院中の桐子に捜査の指揮を委ねる。
彼女は、特殊捜査班「SIT」に所属する、誘拐・拉致事件のエキスパートである。
ところが桐子は、捜査本部に着いた途端、いきなり緒沢を殴り付け一触即発の雰囲気へと陥る。だが、そこに犯人からの新たなメールが……。

子どもの命を最優先に捜査を開始する桐子。そして次々とメールがやってくるのだが、周囲の人間模様を巻き込んで事件は意外な方向へと展開を見せる。
また、桐子の前に現れる不思議な少女の正体は一体?
錯綜する人間模様……そして今の子供達の心理を的確に捉えたこのドラマは放送と同時に賛否両論の論議へと発展いていった。
現代の子供達は……大人たちは、物の溢れ返るこの時代に何か大切なものを置き忘れているのかもしれない。









CHARACTERS (敬称略)


 きりこ
桐子 カヲル(33) 財前直見
警視庁特殊捜査班SIT(誘拐拉致事件スペシャリスト)捜査官。
感受性が強く、人の心を読みとる能力を持ち合わせている。そのため相手の意図を瞬時に見抜くことができるのだが、そのせいで心に深い傷を負い、多くのトラウマを背負ってきた。事実事件当初はその能力のせいで飛び込んでくるさまざまな負の感情から逃れるために、自らの意思で精神病院へと入院していた。
今回の誘拐事件を契機に浅からぬ関わりを持っていた高野 啓と再会したことで過去と対峙することになる。また強烈に個性を発して突き進む緒沢、同じく心の傷を持ちながら前向きに生きている白砂と関わり、新たな道を導き出して行く。
この話の中で一番変わっていく人で、そして強くなる人。人間関係はやはり人間と人間が真っ向からぶつかり合わなければ改善されない、というところがリアルに描かれている。カヲル自身、過去に好きになった高野と子どもをわざと流産させたという負い目を持っていて、そこが今回彼女を一番苦しめ、そして一番前へと突き動かした。外傷に対しての恐怖心は薄く、ボーガンで撃たれても「ちょっと、コレ抜いて」と、あっさり言えるところが怖い。代わりに精神的には脆い、危うさを持った人物。

しらすな りゅうた
白砂 竜太(45) 内藤剛志
多摩東署主任刑事。
純朴で穏やかな性格だが、かつて息子と妻を自分のせいで失った過去を持つ。顔には出さないが強い自責の念を抱えている人物。
初期捜査から高野家に潜入し、生の両親をなんとか落ち着かせようと奮闘する。事件が緊迫した状況で錯乱した母親、舞に刺され瀕死の状態となるが、その際桐子に自分の犯した過ちを吐露したことで彼女の心境に変化をもたらせる事になる。
不器用ながらも前向きに生きようとする態度は、桐子の暗く沈みがちな心を半ば強引に浮上させる。 
初めから最後まで「諦めない」人。桐子の理解者的な立場になっていく。自らもかなり重い過去を抱きながら、桐子をなんとか浮上させようと叱咤激励する姿が好き。誰かのために何か出来れば報われるのではないか、とその姿が物語っている気がする。だが、被害者の母親に刺されたり、傷が開くのも構わず動き回るのは止めた方がいいかと。長生きの出来そうのない無茶を普通にしてしまう人物。

もりむら  ゆうさく
森村 優作
(27) 冨田賢太郎
警視庁捜査一課のキャリア。
真面目で一途、事件に真剣に取り組んでいるがやはり経験不足が目立つ部分もある。
警視庁捜査一課管理官・蓮見から桐子のサポート兼監視役を命じられ、誘拐事件の捜査に加わる。当初は桐子に圧倒され翻弄されるが、次第に桐子の捜査方法を理解しサポートするようになる。
当初は桐子の能力(心を読む)に圧倒されていたけれど、若いだけ合って適応能力は一番早かった。まだまだ経験が足りないけれど、頭の回転の速い良い青年。キャリア組だから仕事に対してのみ忠実なのかとも思ったけれど、「正義感」という意味では粘り強かった。頭の回転の早さは捜査本部一。当初は桐子の監視役という名目でしたが、後半にはなかなか見せ場を作っていた、元気の良い青年

おざわ ありまさ
緒沢 在昌(38) 生瀬 勝久
多摩東署刑事課長。
6年前に誘拐事件を一日で解決したことがあり、当初はそれを自慢にしていたような節があった。
事件発生当初は初期捜査の手順で桐子と対立するが、次第に桐子の能力を認めるようになる。何度も衝突することで同等に強力な個性を発する桐子に惹かれるようになり、協調から支援へと態度を変えて行く。
たたき上げでここまで上り詰めた人物だから、力だけの桐子となかなか合わず、とはいえ、後半であれだけ桐子と息投合するとは正直思わなかった。良い具合に期待を裏切ってくれた。
何が合わないというより馬が合わないような桐子とのやり取りだが、桐子は能力で、彼は行動力で対等な位置にたどりついた気がする。ただ、性格上素直ではないので、桐子とは相変わらず。
「火事場へ向かう消防車の中まで調べろ」という後半のセリフは彼の性格を素直に示していると思われる。猪突猛進型で見栄っ張りだが、根は優しい男だ。

はすみ れいじ
蓮見 礼二(58) 竜 雷太
桐子をこの誘拐事件の指揮官として抜擢した人物。
途中、錯乱状態に陥る桐子をバックアップしながらも、あるときは桐子の捜査方法を冷徹に否定する。
桐子と同じように他人の心を読みとる能力を早くから開花させていたようだ。誘拐事件の発生と展開を影で支えていた張本人でもある。
一番謎を秘めている人物。この人の目的は桐子を助けたかったのだろうか。己も過去いろいろな事があって辛い目にあっていた。同種の力を持っている桐子を自力で何とかさせるように策を練ったのだろうか?能力は桐子よりも強い。