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 隣には、キミ





ふとした瞬間に、自分が人間ではなくなったことを知る。
ほとんど生身の人間と変わらない造りとなっていても、握り締めた手の感覚、感じる鼓動の変化に違和感を感じてしまう。
過敏になりすぎてる。
そう自分に言い聞かせても、襲い掛かる不安は拭えない。

いくら言い聞かせたところで、僕たちはもはや『人』ではないのだから。


そんな時、まるで僕の不安を感じとったかのように、隣にいるジェットが僕の背中を叩く。まるで幼子をあやすかのようにゆっくりと、一定のリズムで。
驚いた顔を向けるとジェットはそっと微笑んで、何も気付かない振りをする。僕の不安をまるで癒そうとしてくれているかのように。

「ありがとう」

「ん?気にすんな」

――― 俺だって慣れない時は同じだった。

そう小声で告げるジェットを見上げ、僕はその言葉に胸の内が温かくなる感覚を覚えた。
何も知らずに、ただ人間として生きていた時と何も変わらない温かさを、安堵感を感じて頷く。

いつだって、僕の隣にキミが居てくれるから、僕は僕でいられる。だから、みんなを守るために戦える。

これまでも、これからも。
キミがいるから、僕は怖くなんてない。

そう思える。

――― ありがとう、ジェット。

心の中で告げて、僕は小さく笑った。





呟き*29のつもり。ジョー視点かな。