やっぱり男の番号ばかり









本当に何気なくいつものように携帯電話を操作していたとき、俺はふと気付いてしまった。

「………やっぱり」

何度も何度も確かめる。確かめれば確かめるほど哀しい気持ちになってくるのはどうしてなんだろうか。
電話帳をもう数周回してそこに登録させている人々を見ながら、俺は深く長い溜息をついた。

「そりゃあ、確かに……断然多いに決まってるけどな」

起きたばかりだというのに脱力して畳に寝転がる。木造で梁がむき出したになった天井が俺の上に広がっていた。右手に握りしめた携帯電話がなんとも儚く思える。
横に回転してうつ伏せでひじを起こし、再度携帯電話を開く。電話帳を回しても回してもやはり変わることはない文字の羅列。
思わず突っ伏して額を畳で擦りむいた。
思いのほか痛かったのは俺の心のダメージだ。額をさするとヒリヒリする。ココロも伴って少し涙目になるのも仕方ないと思ってくれ。
諦めが悪いのは俺の性分だ、そこはほっといてくれ。

 ピピッ…ピッ…ピピピッ・・・・

無機質な電子音が無上に響いていく。見れば見るほど惨めな気持ちになっていくのはどうしてだろう。


「いや、別に悪いやつらじゃないし!」

自分に言い聞かせるように顔をあげて豪語するも、どこかむなしい。

わかっている。俺の周りはそういう連中ばかりなんだということは。百承知だ。それが悪いとは思わない。いや、メモリーがほぼフルコンボなら逆にすごいことじゃないか。


自画自賛……いや、諦めよう。







着メロが鳴りだした携帯電話を荒々しく握る。

「あー…もぅ、わかってんだよ」

『はぁ?なにがだよ』

相手はサル。そんなことはお構いなし。こんな時にかけてきたのだからたまには愚痴に付き合え。

「俺の携帯には、野郎の番号ばっかりだってことだ!」

出てすぐに逆切れのような反応に電話口のサルは唖然としたようだが、そこはそれ職業柄どんな時でも冷静なのが売りだ。
俺の落ち込んだ気持ちなど鼻で笑う。どんな笑いを浮かべているか目に浮かぶようで余計に腹が立った。



『何言ってんだ。……今更だろ』


あっさりとトドメをさしやがる。
俺の周りにはこんなやつばっかりだ。






呟き:マコトです(笑)サルはとばっちり(笑)